アートのリアリティに触れる

アートのリアリティに触れる

2018/03/25もうひとつの風景

[マネージャー録]

 

2018年2月16日(金)、ハナムラはスペイン・バルセロナで作品を発表した。

 

その準備は16日前から始まっていた。ハナムラは、7号食のなかでも特に厳格な1日半合の玄米だけを食べる16日間を体感しながら、作品と向き合っていた。

 

今回はバルセロナで知り合ったギャラリーを運営する方からの依頼で、テーマは与えられていなかったようだ。そこでハナムラは、1日に5回も食事をする飽食の国スペインに向けて、自らの食を制限することを通して、食べるという行為や意識を問うことにしたようだ。

 

ハナムラは常日頃からその瞬間に感じているリアリティを表現をしたいと考えている。そして、それが社会の課題とどのように繋がっているのかを掘り下げていく。その掘り下げ方は、時間軸では生命誕生まで、そして空間軸では宇宙にまで広がる。今回もその点においては一貫していたと思われるが、ハナムラ自身の食に対するリアリティを私自身が読み取れずにいた。

 

そんなことに思いを巡らせるきっかけになったのは、今年のはじめ、私は涙が溢れそうになるほど心を動かされた作品と出会ったことにある。その作品はアーティストの個人的な苦しみをストレートに表現したものだが、結果的にいまのバンコク、いや世界が抱える社会の問題につながっていた。アーティストのなかにある「わたし」という個人が深く掘り下げられ、私の心は大きく揺さぶられた。

 

アーティストが作品を創造するモチベーションはさまざま。そして、鑑賞する私たちの見方もそれぞれ。異なる文化の国や地域から生まれた表現を共有するということ、それはその土地独自の文化を超える、あるいはそれぞれの文化の違いを比較することで、日常の当たり前に通り過ぎていく風景が異化され、新たな風景に出会うということではないだろうか。

 

今回のハナムラの作品の場、スペイン。食文化が異なる現地の人からどんな反応があったのか。ハナムラ自身のブログにはその詳細が掲載されているので、関心のある方はぜひご覧いただきたい。

 

ハナムラ自身のリアリティについてはまだ確認できていないが、帰国した際にはぜひ聞いてみたいと思う。

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